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人間型ロボットが、現在たいへん話題となっています。このようなロボットが、今後私達の生活に入り込んでくるように思われます。 したがって、ロボットと人間が接触する機会が増えてくるでしょう。このような場合、ロボットに触覚がないとたいへん危険です。また、ロボットが感じた触覚を人間に伝達できれば、遠隔操作が容易になります。 この触覚の呈示技術が可能になれば、火星でロボットが取り上げた石の感触を地球上の人間が感じることができるのです。
ロボットが触覚を獲得するためには、触覚センサが必要となります。しかし、対象に触れないとセンシングがかなわないという触覚センシングの宿命から、視覚センサに比べて触覚センサの開発はたいへんな困難が伴います。 このため、いまだに理想的な触覚センサは実用化されていません。 少々荒っぽい接触に対しても、タフで、壊れることもなく、比較的信頼できるデータが得られる実用的な触覚センサの実現に向けて、我々の研究室では、ヒトの触覚に注目しています。 すなわち、除振台や空調など整った環境が無くても、熟練者はミクロン・オーダーの表面の粗さや平面度を自らの触覚にて知覚しています。 また、我々自身を考えてみると、どこかに手をぶっつけても痛みはありますが多くの場合健全を保っています。このようなヒトの優れた触覚に学び、それをロボットの触覚センサに活用することを着想しました。
ハイタッチやスキンシップなどからわかるように、ヒトは触覚をコミュニケーションのツールとして使っています。 このことから、触覚センサが実現することによって、ヒトとロボット間、あるいはロボット間のコミュニケーションの手段として触覚の利用が考えられます。 さらに、ヒトの触覚認識機構の解明が進むと、どのような刺激を与えるとバーチャル・リアリティ(VR)の演出に有効なのかがわかってきます。 力覚を含めた触覚の仮想現実感を演出する装置は、ハプティック・デバイス(Haptic device)と呼ばれていて、VRの研究分野で今とくに注目を集めています。 ヒトの触覚に学ぶ触覚センサの研究は、ヒトの触覚を知るという意味でハプティック・デバイスの実現に役立っています。
今までのVRでは、本物との接触によって生じる刺激をまじめに再現することを追求してきたのに対して、脳を欺いて本物と感じさせる研究も始めています。このために、種々の錯覚現象を活用しています。 一連の研究の成果は、VRへの応用だけでなく、本物と感じるのはどのようなメカニズムなのかという脳の根源的な仕組みの解明への発展も考えています。
当研究室では、数々の表彰を受けています。主なものを以下に示します。 2019年, Best paper, IEEE MHS 2019 2017年, Best paper, IEEE MHS 2017 2016年, Fellow of JSME 2016年, Best paper, Universiti Teknikal Malaysia Melaka 2015年, Best poster , IEEE MHS2015 2015年, Best paper, IEEE IRIS2015 2015年, 銀賞,Research Innovation Symposium Exposition 2015 2014年,大学の部優勝,Performance Reliability Design Innovation Exploratory 2013-2014 2010年,Best paper, World Automation Congress 2010 2010年,日本機械学会論文賞 2009年,ASME 2009 Best Mechatronics Paper 2007年,Best paper Award, The International Conference on Control, Instrumentation and Mechatronics Engineering, 2007 2007年,機械学会船井賞 2006年,講演特別賞, National Academic Conference 2006/The Enhancement of Human Captital Through Social Science and Technology 2006年,著作賞, AEM学会 2002年,日本機械学会論文賞 1998年,日本機械学会論文賞
以下に示す記事では、当研究室の学生らが取り組んできたテーマのうち代表的なものについて、ロボット関連とヒト関連それぞれ三つずつ取り上げて解説しています。 http://www.is.nagoya-u.ac.jp/new_news/laboratory/laboratory_ohka_170224.html また、以下のページにも研究内容の記載があります。 http://www.ohka.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~ohka/new_page_3.htm |